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昔あった出来事を思い出し、少し頭痛がする。
人を、殺した。
「どうしたんだよ。真っ青だぞ?」
それは、誰にも話していない、俺だけが知っている秘密。
あの夢は、この出来事を思い出させる為の、俺の中にある罪悪感が見せたものなのだろうか。
「気分が悪い…。なぁ、もうここを離れよう」
この公園に長居するのは気味が悪く、友人を急かしながら大通りへ出た。
大通りは溢れるほどの人の数で賑わっていた。
人にぶつかりながらも、俺は前へ進んだ。
「「ねぇ、お兄さん」」
その声だけがとてもクリアに、耳に届いた。
振り返ると、金色の髪を2つに結んだ小さな双子の姉妹が笑っていた。
夢で出会ったお婆さんらと同じ、あの気味の悪い服装で。
双子は生気の感じられない目で真っ直ぐに俺を見据え、そして、言った。
「「紅茶はいかが?」」
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