紅茶はいかが?

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なんだよ、これ。 夢だよな?夢、なんだよな? 助けて、助けて。 「紅茶はいかが?」「紅茶はいかが?」「紅茶はいかが?」「紅茶はいかが?」 「た、助けてっ……!」 「あら。紅茶はいかが?」 「………っ!?」 さっきまでとは違う、声。 若い、女の人の声だ。 俺は、この人を、知っている。 「おい!大丈夫かっ?おい!!」 「………っ!あ、え……?」 辺りはすっかりと明けていて、日の光が差していた。 うっすらと見える視界には、眉をしかめた友人の顔がうつる。 「どうした?うなされてたぞ?」  「あ、いや………。夢、みてた…」 額を手でおさえ、まずは落ち着こうとして目をつぶった。 そして、ある女性の顔を、思い出した。
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