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女性と俺の周りには大量の血が流れていた。
頭は真っ白になり、しばらく元は綺麗だった女性を見ていた。
我にかえったあとは、斧を捨て、袋を持って、玄関まで走った。
誰にも見つからないよう、でも急いで、その場所から逃げた。
玄関手前に少しだけ扉が開かれている部屋があり、その中に大きなベビーベッドが見えた。
暗かったが、それだけははっきりと見えた。
屋敷を出て数分後、使用人の甲高い悲鳴が響いた。
俺は振り向かずに、ただ走り続けた。
走っても、走っても、生前の女性の声が頭の中で響いてくる。
「紅茶はいかが?」
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