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部屋に入り、電気を点けようとした時、ナオキの目に部屋の隅にボウッと青白く光る物体が映った。
「あ、ダメ、電気は点けないで」
青白い光を放つ者が言った。
「で、でたぁぁぁぁ!」
大慌てで部屋を飛び出そうとするが、身体が動かない。
(金縛り!?)
全身から冷たい汗が噴出す。
「そんなに恐がらないでよ」
死んだはずの麻生美由紀が床で体育座りをしてこっちを見ていた。
が、先日同様、彼女の膝から下が見えない。
「か、かんべんしてくれ。俺が悪かった! 頼む、成仏してくれぇ~」
「うふ。じゃあカンベンしてあげる。ねぇ、こっちに来て話そうよ」
美由紀の幽霊がそう言うと、フッと身体が楽になり、動けるようになった。
「ねぇ、こっちに来てよ」
ナオキは言われたままにフラフラと美由紀の霊のほうに近づいた。
そのまま美由紀の目に前に正座する。
何しろへたに逆らうと金縛りだ。
ここは言う通りにしておいた方がいい。
「さっきはゴメンね。ナオキ君慌てて出て行こうとしてたから」
「あ、あれはおまえがやったのか?」
「ゴメン、もうやらないわ」
美由紀の霊はそう言うとニッコリ微笑んだ。
暗い部屋の中で青白い燐光を放つ美由紀はゾッとするほど美しかった。
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