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それから、彼女にログインすることはなかった。
スリープ状態のまま――――そのまま、電源を切った。
彼女が目を覚ますことはない。
彼女を起こしてはならない。
復元されたデータ、彼女の記憶と記録。
そこには、凄惨なモノが映っていた。
彼女が女性を殺す現場。
その彼女の傍らに一人の男性。
おそらく。
この男性が彼女に命令したのだろう。
三原則を無視したアンドロイドの扱い。
許されるものじゃあない。
「さて、と」
彼はそう言って身支度を整えた。
「法を守らないものにはそれなりのモノを与えないとね」
彼は部屋を出る際に彼女を見た。
「君は、悪くないからね」
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