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それから――――私は男の家に保護された。
男は名前を佑介、と名乗った。
鋼曲佑介。
私はその名を覚えた。
「看護型か…………初めてだな」
パソコンを操作しながら彼は呟いた。
彼が言うには、初期化されてもデータは残っているのだそうだ。
データ、つまりは記憶情報が残っている、と。
「よし、じゃ、そこに座って、うなじ見せて」
言われるままに、うなじをさらす。
そこに、接続口があるのだそうだ。
かち、と音がして少しの衝撃があった。
彼がパソコンを操作する。
私の内部に潜り込んでいくのがわかる。
これが復元ソフトのプログラム。
復元というよりも探されているよう。
「あとは待つだけだけど、どうする? たぶん、明日までかかると思うけど」
スリープ状態にしておこうか、と彼は提案してきた。
「お願いします」
私は意識を切ってもらうことにした。
パソコンごと壁際まで移動し、背を持たせかけ、瞼を閉じる。
耳の後ろにあるスイッチに彼が触れるのを最後に意識は落ちた。
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