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歴史は繰り返す、とはよく言ったもので。
誰かの人生は、こうして別の誰かによって似たようなルートを辿らされるようにできているのかもしれない。
自分の人生を他人にやり直させるなんて、そんなバカな話がある?
できっこない。
出来るわけがない。
わたしの後悔を、他の人が解消するなんて。
それを見てわたしに満足しろなんて、傲慢にもほどがある。
けれどわたしはそんな理性と裏腹に、ただ無言で頷いた。
だってね。
私はもうやり直せない。
死んだ人間は、高見の見物が出来るだけ。
だから”彼”にやり直してもらうのです。
私が果たせなかった、その野望を。
私がやり直せなかった誰かの人生を。
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