26人が本棚に入れています
本棚に追加
ドアの前に誰も立っていなかった事に息をつく。
―コツン。
………え?
足………音………?
『足音にはお気をつけください。』
フラッシュバックするさっきのやり取り。
喉が締め付けられるくらいの恐怖が身体を這う。
「ーっ!!!」
やだやだやだやだやだ!!!
怖い!!!やだ!!!やだ!!!!
玄関のドアノブを回す。
しかし……
「え?嘘でしょ?」
開かない。
あの人、鍵かけた!?!?
やだ!!!やだ!!!!!!!
「やだ!!!ちょ、開けて!!!!」
ドアノブをガチャガチャいわせるが反応のない家の中。
足音が聞こえて怖い上に、ドアが開かないことにも恐怖を覚える。
「やだ!!!いやだ!!!」
必要以上に取り乱してしまう。
また、足音がしそうで…
もしかしたら、走ってくる足音がするんじゃないか……
そんな想像が勝手に浮かんでは消える。
そうこう考えているうちに足に力が入らなくなってくる。
最初のコメントを投稿しよう!