記憶

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 いつからそうだったのか、どうしてこうなってしまったのか、足りない頭で考えてみても、さっぱり分からない。  だけど、俺の記憶の始まりを探すと、いつも父に髪を引っ張られ、罵倒を受けた末に殴られ、頬に青い痣を作った母親の姿がある。  そして、彼女は泣きながら俺に言うんだ。  「一緒にいきましょう」と。  
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