保健室と先輩

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あぁ……結局今日もこの人と一緒に過ごすんだ。 泉先輩に捕まると、もう逃れられないという事をこの3か月で悟っている私は、諦めて泉先輩の隣のベッドへと向かった。 「お前くらいなもんだぞ。俺に向かってそんな態度が出来るの」 「……別に……私はいつもこんな感じです」 「そうかー?最初の頃は酷いもんだったけどな。あっ、びびってるって意味でな」 「に、人間ですから多少は免疫力もつきます!」 そう、初めて泉先輩と出会った時の私はそれはもう酷い態度だった。 まるで鬼か般若を見てしまったくらいの怯えっぷりで、こんなふうに普通(私からすれば普通)に話す事なんて絶対に無理だったんだから。 _____それは今から3か月前。 私がこの高校に入学してすぐの頃だ。
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