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自然に戻って来た笑顔。私はそのままの表情で、泉先輩の横に並んで歩き出した。
「じゃ、じゃあ、私も祝ってあげます。泉先輩の誕生日。ケーキまであるんですから喜んでくださいね」
「はー?そのぐっちゃぐちゃのケーキで?もうそれ原型、とどめてねーだろ」
「な、ないよりはマシだと思います!!」
「へーへー。まっ、そう思っといてやるよ」
隣に並んでいるのに、お互い顔を合わせられなくて視線が泳ぎまくっている私達。
本当にこれから泉先輩の家で、しかも二人っきりでお祝いなんて出来るのか?って感じだけど、でも私の中で高揚する気持ちは止まる事はなかった。
さっきまでの沈んでいた気持ちはどこに吹っ飛んだんだろうってくらい、私に元気が出てきた。
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