誕生日

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そしてグレー色の鉄の扉の前に立つと、制服のズボンのポケットから鍵を取り出した。 それは間違いなくこのお家の鍵で…… 私は先輩より3歩くらい後ろに立った位置で、息苦しいくらいの緊張に襲われ始めていた。 だって付き合ってもいないのに先輩の……しかも男の人の家に行くなんて…… 「あっ」 そこで私はとても重要な事に気付く。 「あの、泉先輩」 先輩の制服に裾を掴んで小声で問いかけた。 「先輩……彼女さんとかいないんですか?わ、私が本当にお邪魔していいんでしょうか?」 私が震える声で問いかけると、泉先輩は少しだけ後ろを向いて、瞬きをした。 そして視線を上に向けて何かを考えると…… 「もし俺に彼女がいるって言ったらお前、帰んの?」
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