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否定もしない答えに、酷く傷ついた自分がいる。
その感情は表情に出ていたんだろう……一瞬にして苦い顔に私はなった。
「……あのな、彼女とかいたらまず芹沢を家に呼んでねーから。そんな面倒なもんいねーよ。気にすんな」
鍵を解錠して乱暴にドアノブを回すと、耳がほんのり赤い先輩は私を見ることなく扉を開けた。
そして手で扉を支えてくれ、私に家の中への道を作ってくれる。
「_____はいっ」
私ってば単純だ。
先輩に彼女がいないってわかっただけで、傷ついた心はあっという間に塞がった。
それに、泉先輩が誕生した今日という特別な日に、同じ時間を過ごさせてくれるという事が嬉しくてしょうがなかった。
さらに私の誕生日も祝ってくれるというのだから、こんなに嬉しい事はない。
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