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「ふっ……ふふっ」
「おい、笑うなよ」
嬉しくて仕方なくて喉から出てくる陽気な声は止まらない。
目尻から涙が流れそうで、私は人差し指ですくい取る。
「あはは……大丈夫ですよ、泉先輩。ダサいのは自分でケーキを買っちゃう私の方がずっとずっと上です!」
「何の自慢してんだよ、笑えねー」
「ふふっ……私は笑いが止まらないです」
「飯作ってもらったくらいで泣くほど笑うなんて変な奴」
頬に片手を添えて、いつまでも笑っている私を見てる先輩にも、恥ずかしさから笑みが戻って来た。
そんな先輩の顔を見て、まだまだ頬は緩みっぱなしだ。
だって、ご飯を作ってもらった事だけが嬉しいんじゃない。
泉先輩に誕生日プレゼントとして作ってもらえて、それをサプライズとして考えてくれて、私の為に時間を作ってくれた事が泣くほど嬉しいんだ。
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