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乾いた笑いと共に語ってくれた先輩の親の事情……
交通事故で亡くした私とは全く違う次元の話で、返す言葉はすぐには見つからなかった。
「あー……辛気臭い話はやめようぜ。せっかく誕生日だっていうのに」
テレビの音量を少し上げ、わざとバラエティー番組の笑い声を大きくする。
このやり方、私と一緒だ。
私も1人で留守番の時は、こうしてテレビの音を大きくしてやりきれない時間を誤魔化しているから。
そんな先輩の横に膝を抱えて座り、無言になっていっぱい考えて、言葉を返した。
「でも、お花を触っている時の泉先輩は……凄くいいと思います。だから、もっといっぱいお花を育ててほしいな……なんて」
私にこんな事を言われなくても、先輩は花を育てる事はやめないだろう。
でも、どうしてもそれだけは言いたかったんだ。
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