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お父さんの事はピッタリと当てはまる言葉だったけれど、お母さんの事はとんでもない誤解だ。
どちらかというと、教育熱心で躾けにも厳しかったお母さん。
でも、上手くできると誰よりもいっぱい褒めてくれるお母さんだった。
それを先輩に伝えると……
「へぇ。いいな、そういうの。理想の母親って感じじゃん」
いつもは尖っていて冷たい視線の先輩は、滅多に人には見せない優しい目でそう言ってくれた。
なんだか、その目で見つめられたら泣きそうになってくる。
両親の事は、もう枯れるくらい涙は流したはずなのに、先輩のせいでまた溢れてきそうになっていた。
それからも、時間を忘れて泉先輩とたくさん話をした。
こんなに会話が続いたのは、初めてなんじゃないかって思うくらい。
保健室での時間より、ずっと近くにいるこの部屋での空間が、私と泉先輩の距離を縮めてくれた……
そう思えた時間だった。
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