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「それに恋愛なんて相手がいてこそだし、その相手の気持ちが一番重要なんじゃねーか。……って、俺にそんな話させんな!」
「は、はぁ?!先輩が私に言いだしてきたんじゃないですか!」
「知らねーっ!もう、こんな話はやめだ、やめ!あー、気持ち悪ぃ!」
泉先輩は胡坐姿の膝小僧をなぜかコブシで何度も叩いている。
しかも顔を真っ赤にしながら。
私は、先輩をそんなふうにさせるその人の事が羨ましい……っと、本気でそう思っていた。
「でも、実るといいですね」
「はっ?」
「先輩の恋。もし、両想いになる可能性があるのなら、蕾のままじゃ勿体ないですよ」
先輩の背中を押す言葉を言うのに先輩の顔をまともに見る勇気はなくて、視線を下に落としながら話す。
そんな私を、泉先輩の方はずっと見つめていいた。
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