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「早く言え」
「早く言えって……そんなのストレートに言えるわけないじゃないですかっ」
「名前を言うだけだろが」
「簡単に言えたら苦労しません!!」
「メンドクセー」
「うっ……」
盛大なため息をつき、首を左右に振るながら先輩はちょっと苛立っている。
この空気を何とか流したくて、私はお互いがここに来るきっかけになるものが目の前にある事を思い出した。
「あっ、ケ、ケーキ!ケーキ食べましょう!先輩、誕生日なんですからケーキでお祝いしないと」
凄くいい案を今言えたと思ったのに、先輩はまだ首を横に振るだけだった。
「まだ、食わねーよ」
「どうしてですか?」
「……どうせなら、日付が変わる時に一緒に食えばいーだろ。どうせお前、家に帰っても誰もいないんだろ?」
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