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「はっ……えっ??あっ、でも私、帰らないと……」
いつまでもお邪魔してるわけにはいかない。
だって、先輩のお母さんも帰って来るのだから、私がいればきっと驚かれるだろう。
でも先輩は、耳まで真っ赤にしながらこう答えてくれた。
「だから、今日も明日もここにいればいいって言ってんだよ。そんなことぐらい雰囲気でわかれ、アホ。それにこんな時間に帰ってもどうせ寂しくなってメソメソ泣くだろーが。お前は」
相当恥ずかしかったのか、先輩はそう言った後、私からとうとう顔を背けた。
私の視界に映るのは先輩の見慣れない背中だ。
いつも隣にいたから横ばかり見ていた気がする。
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