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言いながら崩れ落ちていく私の頭。
言い切った後、私の視線の先には先輩の脇腹が見えた。
でもそれはすぐに向きが変わり、私の方に身体全身を向けた胡坐姿の先輩の足が視界に入る。
そして今度は両手で上を向かされて、また逃げられない視線に捕まってしまう。
先輩に見つめられたら逃げられない。
そう覚悟して見つめたら、先輩はゆっくりと口を開いた。
「おー、お前にしちゃ頑張ったな。いつもおどおどしてたのに」
「い、泉先輩が怖いから……」
でも、一緒にいて楽しい。それはきっと先輩もわかってくれてる。
だって今、とてもいい笑顔で私の事を見てくれているもん。
「ご褒美に質問に答えてやるよ。_____芹沢」
「は、はいっ」
「アホ、違う。名前呼んだんじゃねーよ。今、答え言ったんだ」
「……へっ?」
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