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だから、この雰囲気に居た堪れなくなって立ち上がったのに、私の手首を握りしめる先輩の手によって私の動きは止められてしまった。
「えっ?あっ、勝手に台所に入っちゃダメですよね、ごめんなさい……」
「ばーか、違う」
「ひゃっ!」
握りしめられた手首を強引に引き寄せられてもう一度、今度はしっかりと抱きしめられた。
そして先輩は長い足をクロスさせて私の身体を閉じ込めると、私の肩と腰を持ち上げて強く抱きしめる。
「もうちょっとこうしたかっただけ」
「わ、わわっ……そ、そうだったんですか……?」
「なのに、勝手に一人で盛り上がって勝手に自爆して離れるんじゃねー。俺が許さん」
「な、何様ですか?!」
「あー、彼氏様」
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