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休み時間が終わるチャイムが鳴ったと同時に”保健室”と書かれた木製のプレートがかかってあるドアをスライドさせる。
「失礼します……」
ドアを開けたら開いていた窓から風が入り込み、真っ白なカーテンがふわっと波をうって揺れた。
その揺れを見ながら私は保健室内をぐるりと見渡す。
「赤坂先生、いないんだ」
赤坂先生とはこの学校の保険医の名前。
先生がいない時はデスクの上に置かれている”ベッド使用者”と書かれたオレンジ色のファイルに、名前と症状と時間を書いておかなければベッドは使用出来ない。
私は先生のデスクまでお腹を庇う様にして歩き、ファイルと一緒に置かれてあるボールペンを手に取って名前を書こうとした。
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