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「おっ、来たな。サボり常習犯」
軽い口調が締め切られていた真っ白なカーテンの中から聞こえてきた。
この人の声を聴くと腹痛に加え、頭痛も加わる気がする……
「早く来いよ。赤さんもいねーから一人でずっと暇だったんだよなー」
赤坂先生の事を”赤さん”と呼ぶこの人。
座っているのかカーテンに映る黒い影が機嫌よさそうにフラフラと動いている。
私はボールペンを握る手にギュッと力を込めて頑張って言い返した。
「わ、私は……本当に体調が悪くて!サボりじゃないです!泉先輩と一緒にしないでください!」
自分の書いた名前の一行上、そこに書かれている名前は”泉 悠史”_____
私の束の間の憩いの時間を邪魔する、とっても嫌な先輩だ。
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