保健室と先輩

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「俺だって体調わりーもん。眠くて眠くてしょうがない病~」 「ふ、ふざけてますよね……」 ご機嫌な声を出しながら、ベッドの境界線を作っていたカーテンを勢いよく引いたこの先輩。 いかにも染めてある明るい茶髪に無造作にセットしてるようにしか見えない前髪からは、髪色と同じ茶色の瞳が輝いている。 カラーコンタクトも茶色に染めるのもこの学校では校則違反だ。 それだけでも十分なのに、泉先輩は白のカッターシャツの中に真っ黒の派手なドクロが描かれているTシャツだしグレーの制服のズボンも完全に腰辺りまでずれ落ちている。 せっかくの足の長さがこのズボンの丈で短足に見えるのだから勿体ないな……とはいつも見て思うけれど。 でも、本人は先生達にいくら注意されようが直す気は全くないみたい。
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