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「今日、 省吾来るよ」 と裕之が言ったのは夕飯の後だった。 「じゃ、 ご飯いいのね?」 「いい」 裕之は父に向き直った。 「省吾ね、 オーディオ見たいって」 「お!本当か?なにが好きなんだ?」 「カントリーらしいよ」 「イイね!なんだろうなんだろ?どの…」 と、 そこからカントリーミュージックのジャンルなのか、 ミュージシャンなのか、 名前を並べ立てた。 私も弟も音楽は好きだけど、 父のウンチクが面倒で逆に興味が薄い。 立ち上がって食器を洗うと、 母が言った。 「またアナタ、 おこもりさん?」 「ちょっとだけね、 おさらいしておかないと」 「うーん…市役所入れば良かったのに」 「近くがいいのは、 通勤だけ」
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