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ドライヤーで髪を乾かし、
ドアノブに手を伸ばした。
急にドアが開いた。
手が宙をつかんで、
目の前の物体に体がぶつかった。
「わっ!」
「おおっ」
肩を支えられた。
見上げると、
見知らぬ男性がいた。
大きな人だ。
190センチくらいある?
横幅も大きい。
太ってるわけじゃないけど、
岩みたい。
顔は…男性的な顔としか言いようがない。
ノミで岩を削ったような。
これが省吾くんか。
「ははは~」
思わず笑った。
こんな大きな人、
初めて見た。
「ゴメンナサイ」
岩山の脇の下をくぐり抜けて、
廊下へ出た。
笑ってしまった。
でもぶつかったから、
と思うんじゃない?
階段を昇りはじめると、
下から弟の声が聞こえた。
「お、女の子?…
アネキでしょ?」
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