164人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
その後も省吾くんは、
ちょくちょく現れるようになった。
と、
言っても話すことはほとんどない。
省吾くんが来るのは、
平日の夜が多くて、
こっちは残業ばっかりだし、
お風呂入って、
ご飯食べて、
部屋で勉強して…ウ~ン、
おやすみなさい。
あの岩山が家を移動しているのを見かけても、
挨拶をする程度だった。
ある土曜日、
イベントのために早朝に家を出ようとすると、
駅前で省吾くんに会った。
「ああ、おはよー」
「おはようございます」
省吾くんは、
コンビニ帰りらしかった。
「出勤ですか?」
「うん、そう。
天気がよくて良かった~。
今日は外仕事なの」
「そうですか。
ジブンはだいたい外なんで」
「省吾くんは、
なんのお仕事してるの?」
「ジブンは警察官です」
最初のコメントを投稿しよう!