オカモト家のカラフルな日々

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ケンサクがポロポロこぼしたスナック菓子の屑を狙って、ホーはケンサクの足元をうろちょろ。 臭いのにね。足。 外で車の音がした。 ママだ。思ったより遅かったかも…。 ママは家の前に車を着けて車庫入れを始める。 その頃にケンサクはようやく気付く。 「ちぇ…帰って来ちゃった」 ケンサクは吐き捨てる様に言うとジュースを飲み干して、グラスをキッチンへ持って行った。 帰って来なきゃ泣くくせにね。 ママは車を停めて、ご機嫌な様子で車から降りて来た。 流行りの歌の鼻歌なんか歌っちゃってさ。 今日もママの彼氏に感謝しなきゃね。 玄関のカギが開いて、ママの声がした。 「ただいま」 「おかえりー」 ケンサクはリビングの隅に置いたランドセルを抱えながら言う。 帰ったらランドセルは部屋に持って行かないとママは怒る。 ケンサクはそのまま階段を駆け上り、自分の部屋に入って行った。
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