オカモト家のカラフルな日々

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ママは買ったばかりのブーツを玄関ではいて、お気に入りのバッグを肩から提げた。 玄関の棚の上に置いた車のキーを取り、指で回しながら、ママは出て行った。 私とホーは玄関でそのママを見送る。 「最近、ママ、お出かけの回数増えてるよね」 ホーはクッキーの粉を舐めながら私に言う。 「そうね。ほとんど引きこもりでネットばっかしてたのにね」 「パパさんとか気付かないのかな…」 「パパさんは家の事に関心ないんだよ。ママが髪切って来ても気付かないしね」 私とホーはいつものリビングの陽のあたる場所に移動した。 そしてゆっくりといつものように丸くなる。 ママの運転する車がガレージから出て行った。 側溝の蓋をタイヤが踏み、大きな音をたてる。 ホーは水を飲みながら、そのママを見送っていた。
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