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<エルSIde>
さっきまで俺の隣で喚いていた友であるノエルと一緒に俺ん家へ向かっている。
今では完全に日が落ち家の灯りさえなく道は真っ暗だ。そうなると、流石の俺も容易には自分の家を見つけることができない。
エル「うっし!........光。」
そうつぶやくと、顔の前で立てていた人差し指が白い光を帯びた。そして、そのまま拳大くらいの球になると、俺はその大きさを維持するために魔力の供給量を一定にした。
エル(ふぅ。.......やっぱり、下級と言っても光属性はしんどいな~。といっても、ほかの属性と比べてだけど。)
光と闇は特別属性だ。故に、発動時に他属性よりも精神的に疲れるんだ。
しっかし、あれ程文句を言っていたノエルが静かだな。どうしたんだろうか。腹でも痛ぇのか?よし、聞いてみっか。
エル「おい、ノエル。お前、急にだんまりしてどうしたんだ?具合が悪いのか?」
ノエル「ん?ああ、.....別に大したことはない。ただお前に呆れていたのと、今日泊まるはずだった宿代が無駄になったことに落胆しているだけだ。気にすんな。」
エル「そうか。なら、気にしないでおく。でもよぉ、お前がそんなに落ち込むことになった原因は何なんだろうなー。」
ノエル「......お前だよ(ボソッ)。」
エル「それに、せっかく払った宿代が無駄になった原因も。」
ノエル「だから、それもお前が原因だろーが!!何、素知らぬふりをかましてんだコノヤロー!ぜってー、わかってて言ってんだろ!」
エル「ふっ。ふははっ。いやー、お前を揶揄うのが面白くて、ついな。ははっ、悪かったって。だから、そう怒んな、な?」
ノエル「.....。」
エル「おっ、ほら。ちょうど俺ん家に着いたぜ。だから、中に入って今日はもうゆっくり休もう。」
ノエル「むぅ........行くぞ、馬鹿エル。」
俺が家へと目を向けるとノエルも追うように見た。そして、俺の言葉に思うことがあったのか一度うなり、俺にそんな言葉をかけた後1人でスタスタと家に向かって歩いて行った。
俺は、そんなノエルを微笑ましく思い笑みが自然とこぼれた。そして、俺も先を歩くノエルに追いつくため駆け寄った。
<エルSIde> 終
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