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ノエルとカミュが手をつないでいる姿を見たエルは、幽霊でも見たかのように驚いたがすぐに笑みに変わった。そして、1つの小さなテーブルを4人で囲みながら温かいご飯を食べたのだった。
エル「それにしても、カミュ。お前昨日はノエルにあんな態度だったのに、今日はどうしたんだ?」
カミュ「うん?んーとね.......秘密っ!」
エル「そんなこと言わずに兄ちゃんに教えてくれよ~。そうだ!!ノエル。お前、いつの間にこいつと仲良くなったんだ?」
ノエル「ふふっ、.......秘密。」
エル「くそ~、お前もかよ、ノエル~。」
そんなエルの言葉の後には3人の笑い声が響いた。そして、その日は3人で街に行って遊んだり家の手伝いをしたりして過ごし、昨日と同じようにみんなで寝たのだった。
日が昇り始めて間もないころ、1つの人影があった。それは薄暗い空の下、ゆっくりとした足取りで街から離れていく。しかし、突如ピタリと足を止めた。
?「よぉ、兄ちゃん。こんな朝早くに散歩かー?にしても、散歩っていうには距離が長いと思うんだけどよー。」
ノエル「!!.....エル、お前こんな時間に何して...。」
エル「それは俺のセリフなんだがなー。お前もんなこと聞かなくても分かってんだろ?」
ノエル「......はぁ。そうだな、お前の言う通りお前が何故ここにいるかはおおよそ見当がつく。」
エル「そんじゃ、一緒に ノエル「いや、一緒に行くつもりはない。ここでお別れだ、エル。」....は?何言ってんだお前、冗談だろ?」
ノエル「冗談じゃない。お前は、家に帰ってカミュたちの傍にいてやれ。」
エル「それはお前が決めることじゃない。俺とカミュたちが決めることだ。」
ノエル「.....。」
エル「お前の言いたいことも分かっている。確かに、カミュたちの傍にいた方がいいかもしれない。だがな、それ以上に俺はお前ともっと一緒にいたい。旅をしてみたいんだ。」
ノエル「......。」
エル「俺はお前のこと会って数日だが親友だと思ってるし、尊敬もしている。なんていうか、お前についていきたいんだ。だから、俺は家族との平穏な生活よりもお前を選ぶ。」
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