ノエルの強さ

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スオンは、ノエルの言葉に一瞬戸惑い声をかけようと発するも言葉が喉に詰まり口から発せられることはなかった。そして、目の前で目を閉じ恐らくノエルの言う”彼ら”を呼んでいるであろう人物を見て苦笑した。 スオンに見られている事をしらないノエルは、光属性の中級魔法『念話(パロリーエンペンソ)』を使いすぐに元海賊たちの魔力を見つけると、彼らにここに来る道順と旨を伝えていた。 『念話(パロリーエンペンソ)』では使う魔力は少ないが相手の魔力を広範囲で探さなければならないため中級魔法に入っている。探すといってもだいたいの感覚で見つけても発動できるのだが、その分時間はかかる。ノエルのように魔力操作や感知の能力が高ければ高いほど短時間で発動できるのだ。      一方、商業の方をノエルに任されたエルはというととんとん拍子に――――――とはいかないものの着々と職探しの終わりへと近付いていた。その証拠に、初めは大きかった集団は職が決まった奴らと別れた為今や小さくなっていた。 リビアン「エル、後いくつ店に行くんだ?」 エル「んー、...おっ、後2つだな。」 リビアン「っしゃあっ、もうちっと頑張ろうじゃねえか!!」 そう言って自分の肩に手をあて、肩を回すようなポーズをしながら歩くリビアンの後をエルたちは追った。そして、さっきと同じように職が決まり彼等と別れるとリビアンと残りの1人を連れて最後の店へと向かった。 ガチャッ  カランカラーン 来客を知らせる音が店内に響く。 シーン..... エル「すみませ~ん。」 シーン..... エル「?留守か?」 リビアン「それだったら、閉まってるだろ普通。」 エル「だよな~。」 エルはそういいながら店内を見渡した。この店はどうやら雑貨屋のようだ。だが、客はおろか店員さえいない。エルは不思議に思っていると静かだった店内に声が響き渡った。
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