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ノエルの忠告で我に返りそれぞれが部屋から出た頃、ノエルは前を歩いているスオンの姿を見つけた。
ノエル「あ、いたいた!!待ってくださ~い、ユーリアさ~ん!」
スオン「ん?お前は....... 誰だ?」
ノエル「えっ!?.....あ、すみません、まだ俺の名前言ってなかったですね。俺はノエル・アヴェンチュリンと言います。よろしくお願いします。」
スオン「ああ、こちらこそ。それで、ノエルといったか、俺に何か用か?」
ノエル「あ、はい。俺、不思議に思ったんです。ユーリアさんはどうして急に彼らのことを考えようとしたのか。」
スオン 「そんなことか。ただ俺の気が変わっただけだ。本当に初めは彼らに会うだけだったのだが、彼らの目を見て思い直したのだ。」
ノエル「......そうでしたか。」
ノエルは微笑みながら言葉を返した。そんなノエルを一瞥した後、再び歩き出して行った。
間もなく指定時刻となる頃、約1時間ほど前にいた”港長室”では既にノエルと元海賊たち9人がいた。そして、部屋の壁にかけてある時計の長身が動き約束の時間となると同時に港長室のドアが開き、皆が待っていた人物が現れた。
キィィ ガチャ
スオン「全員揃っているな。.....では、先ほどの続きをしよう。考えた結果俺の意見を率直に言おう。..........お前たちを港《ここ》で雇うことにする。」
9人「「「「「「「「「!?っ」」」」」」」」」
スオン「だが、全員ではない。」
9人「「「「「「「「「!?っ」」」」」」」」」
ノエル「えっ!?全員じゃない...?ユーリアさん、理由をお聞きしても?」
スオン「理由はやはり人数が多いことだ。言っただろう?従業員が多すぎると色々と大変なんだ。すまない。」
ノエル「.........。」
ノエルが黙ったのを見たスオンは、6人の雇う者の名を呼び一言挨拶をした。。呼ばれなかった3人の元海賊たちは笑顔で仲間へ祝いの言葉をかけていたが、瞳にはどことなく落胆の色が窺える。そんな彼らを見たノエルは、すぅっと息を吸い言葉を放った。
ノエル「あの!! やっぱり、もう一度考え直してはいただけませんか?!結構な無茶を言っているのはわかっています。でも、お願いします!どうか、全員を雇ってくれませんか?!」
スオン「......。」
ノエル「この人は結構な目利きをもっているし、彼なんてまだ若いうえにまじめな性格なんです!それに、こっちの人は人一倍責任感が強くてよく皆から頼りにされているんです!!」
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