第1章

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 呼び止められて、振り返るとそこには酷く真面目な顏をしたチーム長が立っていた。  深海調査艇に乗り込もうとしていた俺は、彼の尋常ではない雰囲気を感じ取って、「どうしました?」と尋ねた。 「お前は乗るな」  理由も言わずに放たれた言葉は、たった一言。  俺は海洋調査会社の社員であり、深海調査艇に乗って、深海生物、深海環境を調べるチームの一員だ。  何度も乗船し、特にヘマをした訳でもない。  乗船前の健康診断もパスしているし、いきなりそんな事を言われても納得がいかない。
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