第1章

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 こんな状態で焦っているのは俺だけで、チーム長も周りにいる同僚達も、微動だにせず、ただ画面を見つめているだけであった。  キーーーーーーーーーーーン!  突然鳴り響く、耳をつんざくような機械音。 「うわぁっ! なんだっ!」  頭の中を共鳴するような、その音を少しでも防ごうと、耳を押さえる。  しかし、相変わらずチーム長達は画面を見つめたまま、全く動かない。  この“不快な音”すらも気にならないかのように。  音が鳴りやむと、『ガガ……ガ……』という、通信機がノイズ音を発する。  探査艇に何が起きたんだと、心臓をバクバクさせて、船内からの通信を待つ。  ガサゴソとマイクを弄る音が聞こえた。
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