降車駅

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「なんだよ、それ」 「当たったら、かき氷二つにしてあげるよ」 「二つもいらねぇよ」  ん、たしかに。二つも食べたら、頭がキーンってなるよな。  浅はかだったと反省しながら角を曲がると、見覚えのあるのぼり旗が見えた。 「いちごと、レモン、一つずつお願いします」  そう言って、ばあちゃんに野口を手渡すと、少年が「おい、俺メロン」と背後で言った。 「あれ? レモンじゃなかったっけ?」 「メロン」 「ま、いいじゃん。あたしレモン食べたいし」  お釣りの五百円玉を受け取りながら、支払い主の権力を行使して少年を黙らせる。 しばらくしてやってきたかき氷は、ちゃんとレモン色といちご色だった。 あたしは少年にレモンのかき氷を手渡す。
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