序章

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薄暗い室内。 その家には生きる者たちの気力というものがほとんど感じ取れなくなっていた。 負のオーラとでも言えそうな淀んだ空気の中にその少年はいる。 テレビはついていても少年の目はその画面をとらえてはいない。 呆然とベッドに横になり何があるわけでもない一点を見つづける。 「……」 そんな少年の姿はお世辞にも人間とは言えず、まるで人形のようだった。 何をするでもなく、ただただ無駄に時間を浪費していく。
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