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妙に湿った不気味に演出された別館の地下三階には厳重なロックがかけられている。 厳重すぎる警備員達をすり抜け身分証明をし、金庫よりも面倒な暗号コードを解けばただ一つの牢が見える。 【アローング】 コツコツコツコツ 規則正しい靴音と共に聞きなれた呼吸音楽俺の中のリズムと共鳴する。 俺の左手首には逃げようとすれば即座に電流が流れる特殊手錠がくっついているしそこら中に監視カメラがついていてヒスイが言うには二十四時間体制で監視されているとかなんたら。 そんなことされなくても逃げねぇーし。 金はねぇし、家もねぇ、ここにいてもここから出れねぇが飯も風呂も完備されている。何より仕事せずにグータラ寝てればある程度の保証はされてる。 そんな楽園から誰が出るかよ。 そんなことを考えているとヒスイが険しい顔をして立っていた。 「よぉーヒスイ。そんな顔すんなよ、愛しい俺に会いに来たんだろう?」 「…スザク、話がある。」 奴は今にも倒れそうなほど蒼白い不健康な顔をして話を切り出した。 ーーー ことを遡り数日前 日出ヅル国、日本には特殊犯罪を取り締まる対シャドウ課と言う組織が存在する。本部はデーン王国と言うやや厄介な場所にあるのだが、この話は長くなるので割愛する。 でだ、この話はその対シャドウ組織、日本支部の中でも半ば都市伝説扱いされていたラージと言う部署のものである。
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