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かなり深いところに転落したから這い上がる方法を見つけるのに時間はかかる。
だから簡単に前向きにはなれない、けど。
いつかは闇の中から抜け出せるような気がする。
「ん~、風が気持ちいい……」
そう言って身体を伸ばす磯崎さん。
近くにあった木が揺れ、爽やかな風が頬を撫でていく。何だか心地いい。
「ちょっと、寝てみようかな」
そして伸びをしたままシートの上に寝っ転がった。
「膝枕してほしいな~って、それもダメか」
「……ダメですよ」
ゆったりとした時間が流れる中、2人で空を眺める。
また少し……本当に少しだけ、磯崎さんに対する興味が湧いてきた。
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