5.『ダメ女製造機』

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「……詳しいんですか? その……ジャズ、とか」 「まあね」  これまた絶妙な明るさの店内をカウンターのある方へ向かって歩く。  磯崎さんがこういうのに詳しいなんて……意外だ。縁もゆかりも無さそうな感じだったから。  うん……ほんのちょっとだけカッコ良かった。  割り切っていても勘違いはしそうだから言わないけど。  カウンターの側まで来ると突然、 「……徹!」  誰かの名前を呼んだ。すると、カウンター内の棚で何かをしていた男性がこちらに気付き、 「おぉ、コウか」  作業の手を止め、私達の近くに寄ってきた。
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