6.『彼氏』の存在理由

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「うあぁぁ…………」  人目もはばからず、大声をあげて泣き出してしまった。  そして、ごく自然に磯崎さんの身体にしがみついていた。  溜め込んでいたものは想像以上に多く。  涙は止めどなく流れ続けた。  今回のことだけじゃなく、前々から我慢していたものが爆発した形なんだろう。  吐き出さずただ無かったことにしてるんじゃ精神的負担が増していくだけ。  私、ずっと無理していたんだ……。  自分の身を泣き場所として作ってくれた磯崎さん。  私を包む腕は見た目以上にしっかりしていて、身体は予想を上回る程、温かいものだと初めて知った……。
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