9.カカオフィズみたいな体験

4/49
3631人が本棚に入れています
本棚に追加
/733ページ
 唇へのキスはしたことないというのはわかっていたはず。  そんな相手に濃厚なのは刺激が強いに決まってるでしょうが……もう。  恋をした当初の頃より影響が出てしまっている。 ……あの後磯崎さんは、存分に唇を貪り、事後にもう1度謝ってきた。 『ごめんね……久しぶりで、止まらなかった』と。  軽く触れたら欲望のスイッチが入ってしまって、理性も飛んで。ちょっとした獣状態に。  その場はキスだけで済んだ。でも……。 『こっからはもう……マコちゃん次第だから』  キスをした後の帰り道でこう言われた。  その言葉の意味するところは、すぐに理解出来た。  私にとってそれは、キス以上に未知の世界。
/733ページ

最初のコメントを投稿しよう!