10.明日、居なくなると思ったら

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 クリスマスを楽しめる人達が羨ましい。私なんて……。  ほとんど八つ当たりだ。良くないのはわかっていても、そういう思考になる。  止めたい、でも止められない。どうすればいいんだろうか……。  1階に到着し、とぼとぼと歩く。すると、 「良かった、まだいた!」  ドタドタと走る大きな音と、馴染みの声。そしてガッチリ身体を捕まえられる。 「悩める女子1名確保っ!」 「え、ちょっ……悠莉?」  その主は、私が更衣室を出た時には制服姿だった悠莉。 「はー、間に合った~……」  息が切れていて、肩で呼吸している。物凄いスピードで着替え、階段を使って追いかけてきたようだ。
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