3637人が本棚に入れています
本棚に追加
「何、どうしたの?」
「どうしたのは……こっちのセリフだよ、マコ」
「……??」
「今の時期なら楽しそうにしててもおかしくない。なのに磯崎さんの話をふってもつれないし、日に日に顔が暗くなってるし……」
「…………」
「もう見てらんないよ……何があったの? 教えてよ、ねぇ」
息を整えながら心配そうな声で話す悠莉。
彼女の観察力は目を見張るものがある。毎日顔を合わせているから様子がおかしいのに気付いたんだ。
ただ、私情に他人を巻き込む訳にはいかない。
「……そんな大事じゃないから、大丈夫だよ」
懸命に笑顔を作って悠莉を振り切ろうとした。
最初のコメントを投稿しよう!