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 ホームへ上る階段の1段目で止まり、改札方面を覗きこむ。  マコちゃんは反対側のホームへ向かう通路を歩いていた。  その後ろ姿を見えなくなるまで目で追った。 「どうすりゃいいのかね……」  溜め息混じりで呟き、ゆっくりと階段を上っていく。  心を開いて壁がなくなって。そうしたら惜しい気持ちが膨らんだ。  期限の最終日であるクリスマスイブの別れが。 『どうにかしてあげたい』というのがその気持ちに拍車をかける。  ただ、それが恋愛感情からくるのかは現時点ではわからない。  はっきりさせるにはまだまだ時間がかかりそうだ……。
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