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「悠莉は……磯崎さんは絶対そういうことをしたいって……けど我慢してるって言ってました」  ただ口調からしてマコちゃん、相当勇気を出して言っている。 「結局のところ、どうなんですか? はっきり……言ってください」  その証拠に、仰向けだった身体を動かし、俺に背を向ける。聞こえてくる呼吸も荒い。  あの友達、男の心理を読むのが上手いな。健全な関係だと教えてあるが上の。  はっきり言ってほしい……それだけならば。  まずはゆっくり、ゆっくりと近付いて。  マコちゃんとの距離を徐々に詰めていく。  そして、触れるか触れないかのギリギリのところで止まる。俺の心を行動でも表すように。
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