10

6/42
前へ
/733ページ
次へ
 テンション高くても悩みを抱えても、この店はいつも変わらない。  常連や一見さんで溢れ、ゆったりとしたジャズ曲を演奏しそれを楽しみながら飲める店。  その雰囲気にまた安心して、カウンターの方へ。    歩いている途中でカウンター内に徹が姿を見せた。  バーテンダーが俺を見つけて呼び寄せたんだろう。空席の前辺りに立ち、 「よ、お疲れ様」  俺が傍まで来るとすぐ軽めの挨拶をしてきた。それに合わせて手を上げ、席に座る。 「何飲む? それとも飲まずに飯?」 「酒は……任す。飯はいい。適当につまみでも出してくれれば」 「ん、わかった」
/733ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3636人が本棚に入れています
本棚に追加