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「んで、そういう気分じゃないってことは……」  徹がこう言ったタイミングでカクテルが目の前に置かれた。これを見て感付く。 「……言わなくてもわかってんじゃん」 「何が?」 「ギブソン。カクテル言葉は"決心"。お前に関わってりゃ嫌でも覚えるよ」  黙って不敵な笑みを見せる徹。コイツはコイツでお見通し過ぎてビビる。  ならば前置きは無用。早速本題へ。 「まぁ、他でもないマコちゃんのことなんだけど……」  カクテルを少し口にして悩みを切り出す。ジャズと共に、身体に染み渡る。  相変わらずいい仕事しているな、ここのスタッフは。 「何? 別れるのが惜しくなった?」 「……そんなトコ」
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