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「だったらそうすればいいのに。悩む必要あるのか?」  そう言ってお決まりのように葉巻をふかす。 「……失敗したくないから悩んでんじゃん」 「失敗……ああ、そういやコウは結婚前提で付き合うんだったっけ」 「曖昧な感情じゃ昔の二の舞になるよ。ただ可愛いとか、どうにかしたいとかじゃ続かない気がするし……」  誰でもいいような理由じゃダメ。頬杖ついて思い切り溜め息。 「あー、溺愛レベルの恋愛してみたい……」  そしてカクテルを一気に飲み干した。 「……例えばの話だから怒らないでほしいんだけど」  少しの間の後ジャズの曲が別のに切り替わったと同時に徹が問いかけをしてきた。 「マコちゃん、初めて会った時に比べて可愛くなったと思わない?」
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