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そんな思い出も、風祭くんはきっと覚えていないだろうけど。分かち合えないことに寂しいと思ったりもするけれど。
でも、シュウくんの面影を見つけると、嬉しかったりほっとするのも本当。
“あの頃”と“今”は切れずに繋がっているんだと感じられるから。
シュウくんと仲良くなれたんだから、風祭くんとだって、たとえどんなに時間が掛かったとしても仲良くなれるって、そう思えるから。
……そうだ。今日のこと、ほんとに報告してみようかな?
上達したって言われたよ、って。
風祭くんのお陰だよ、ありがとう、って。
そしたらどんな顔するかな?
喜んでくれるかな?
またあの笑顔で…
「ね、もしかしてさ、誰かに教えてもらったとか?」
「ふぇ…っ!?」
まさしくその『誰か』が浮かんでいただけに、わかりやすく声が裏返ってしまった私を見て、栗崎さんはにやりと笑む。
「お。その反応は図星だなぁ?
まぁ、タカミーはないとしてー」
「うっさい。教えんのだって向き不向きがあんだろ。つか、栗崎だってコッチ寄りのくせに」
「おおっと。それは言わないお約束ですぜ、ダンナ」
「ったく。調子いいよな。
──んで?誰なワケ?」
テンポよく会話をしていた2人の視線が再びこちらに向く。
ただし、それに答えたのは。
「私知ってる~。風祭くんだよね~」
にこにこと笑う関さんだったから、私は思わず2度目の奇声を上げてしまった。
だって、なんで関さんが……!?
確かに中谷さんには話したけど、目配せした彼女からは誰かに話した様子は感じない。
だとしたら……
「え、えと、見てました?私、集中してて気付かなくて……」
「んーん。見てたのは私じゃないよ~。
でも『手取り足取り腰取りだった』って聞いちゃったぁ」
「っ!!?」
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